1月25日のNHKあさイチで放送された「住宅耐震の落とし穴」「直下率・耐震基準・耐震等級」などについてまとめてみました!
いつ起こるかわからない地震に備え、住宅の耐震は大きなテーマですよね。
地震に弱い家の特徴や耐震の上げ方、マンションなどについてもご紹介します。
旧・新・最新の耐震基準の違いとは?
耐震基準は時代によって、大きな地震などを機に変わってきました。
1923年関東大地震後、1950年から旧耐震基準が定められ、その後1978年に宮城県沖地震があり1981年に新耐震基準が設けられます。
1995年に阪神・淡路大震災が起こり2000年から現在の最新基準が定められました。
耐震基準は壁によってきめられていて、柱の間に「筋交い」という斜めの柱が入っていると強い壁だということになります。
他にも強い合板を壁に貼り付け筋交いの代わりにするもの、筋交いと合板を合わせているものなども強い壁とみなされます。
ここで注意したいのが窓の部分は強い壁とみなされないという点です。
最新基準では筋交いの入った壁の量の数は変わりませんが、東西南北にバランスよく筋交いが入っている壁があるというのが最新基準になりました。
屋根の重さのバランスなども考慮されるそうです。
さらに筋交いと柱を結びつける金具をつけましょうということも明記されました。
過去の基準と比べ、新しい基準に基づいて建てられた家の方が模型を揺らしてみた時に圧倒的に最新基準の家のほうが倒壊せずに済んでいました。
ですが最新基準で建てられた家でも家の構造によって明暗が分かれる場合があります。
倒壊の明暗を分ける「直下率」とは?
最新基準で建てられていても、倒壊する家、ほとんど被害がない家と違いが出る場合はあります。
実は「直下率」というものが関係しています。
直下率が高い家というのは、2階の壁や柱が1階の壁や柱と垂直につながっている作りの家のことです。
つながっていることで、揺れを逃がしてくれる効果があります。
低い家というのは2階と1階の窓や柱がつながっていないため、倒壊しやすくなってしまいます。
実はこの直下率は最新基準でもあまり考慮されていません。
なので知らずに建ててしまった場合最新基準であっても倒壊する恐れが出てしまうというわけなんです。
番組に登場した2軒のお宅の場合でも、同じくらいの築年数にも関わらず、一方は壁紙が破れただけなのに対し、もう一方のお宅は倒壊してしまっていました。
もちろん直下率だけが原因ではないということですが、家のデザインも大切ですが、かなり家の壊れ具合にも差が出てくるので家を建てる際にはしっかりと考慮して考えたい点です。
ちなみに不動産業界の方はほとんど知らないのではないか、と専門家の方が話していました。
お互いに知らずに購入を検討してしまったらと思うと怖いですよね。
直下率が低くなりやすい家
・2階が小さい家
・1階が駐車場の家
などは直下率が低くなりやすい家です。
自宅の直下率のチェック方法
自分でチェックするには、家の図面を1階と2階コピーして、重ねて見てみます。
壁が重なっている部分が多いほど直下率は高くなります。
また、自分ではよくわからないという場合は構造設計に詳しい建築士に見てもらうのがいいということでした。
直下率を高くする方法
すでに家を建てていても、直下率を高めることはできます。
・床を強くする。
フローリングの下に合板という固い板を入れるだけでも強くなります。
・吹き抜けを作る場合は補強としてしっかりとした梁をつける。
などの方法があります。
心配な場合は専門家に相談してみるのがいいかもしれませんね。
耐震等級とは?
耐震等級には1~3があります。
1は耐震基準と同等、2は耐震基準の1.25倍、3は最高ランクで1.5倍の強さがあります。
住宅メーカーの中にはすべての家を耐震等級3で販売しているというところもあります。
筋交いが入った強い壁を3~5割アップさせ、火打ちよばれる金具を使い強度を上げるなどの対策をしているそうです。
今は地震に対する意識が高まっている時代なので、こういう基準があるメーカーさんは安心できますね。
また、建てた後でも費用はかかりますが耐震等級を上げることが出来ます。
新築であれは50万程度、それ以外だと値段は上がってしまいますが120~150万程度であげることが出来ます。
リフォームで耐震が下がってしまうことも!
リフォームで耐震が下がってしまうこともあるので注意が必要です。
・基礎に穴をあけるなどして破壊する
・壁を取り払って広い部屋に変える
・筋交いを遮断してしまう
などは耐震が下がってしまうのでやらないほうがいい事例です。
リフォームする際は何社かで見積もりを取り、その中で耐震についてきちんと説明してくれるところを選ぶようにするのがおすすめです。
耐震シェルターとは?
耐震を上げる工事の1つとして「耐震シェルター」というものがあります。
部屋の中にもう1つ、頑丈な部屋「シェルター」を作るというものです。
番組に登場した方のケースでは、4畳半で425000円、自治体から補助金で40万円の補助があったということでかなりお値打ちに対策することが出来たそうです。
補助制度については自治体によって規定が違うそうなので気になる方は一度調べてみてくださいね。
マンションの耐震について
地震地域係数というものがあり、1.0の地域は耐震基準と同等に作る必要がありますが、それ以外(0.9以下)は耐震基準より低めで作ってもよいとされているそうです。
これは地域によっても違ってくる数値で、沖縄が一番低く0.7となっていて、よく地震がくる太平洋側が数値が高く設定されています。
中には地域によって自ら数値を高く設定している地域もあります。
他にもラーメン構造よりも壁式構造の方が耐震が高くなるそうです。
またマンションの場合高層マンションもありますよね。
高層マンションは高さがあるのでゆっくりと長く揺れる場合があります。
まとめ
我が家も実家の一軒家がかなり古く、おそらく耐震基準は昔の物なので大きな地震が来たら、と考えるととても心配です。
祖父母もかなり高齢になっているので、何かあったときは心配ですが今からリフォームしたり建てなおすのも・・という感じだと思います。
これから新築されるかたは是非耐震基準の高いところを選ぶようにしたいですね。
すでにお家を持ってみえる方も是非一度自宅の耐震について見直してみるのも大切かもしれません。